3D セキュア認証
3D セキュア認証の仕組みと実装方法について
3Dセキュアとは
3Dセキュア(3D Secure)は、クレジットカードの不正利用を防ぐための本人認証サービスです。カード発行会社が提供するパスワードや生体認証などを使用して、支払い時にカード所有者本人であることを確認する仕組みです。
PAY.JP では 3Dセキュア 2.0(EMV 3-D Secure)に対応しており、より安全でスムーズな認証体験を提供します。 また、支払い時のチャージバックリスクを軽減する効果もあります。
3Dセキュア導入の義務化
経済産業省のまとめている「クレジットカード‧セキュリティガイドライン」では、 2025年4月より全ての EC 加盟店に対してカード決済時の対策として「EMV 3-D セキュアの導入」を求めています。
PAY.JP API v2 では、カード登録時または初回利用時のいずれかで必ず 3D セキュア認証が必要となるため、簡単にガイドラインに準拠した形で 3D セキュア認証を導入できます。
3D セキュアとチャージバック保護
チャージバックとは、不審な請求に対してカード保有者が支払いを拒否できる仕組みです。成立すると支払いは強制返金され、商品や役務を提供済みであっても加盟店の損失となります。
支払い時の 3D セキュア認証を実施することで、不正利用によるチャージバックを抑制でき、発生時も「3D セキュア認証実施済み」として抗弁が可能です。 その場合、チャージバック金額はカード会社負担となります。
ただし以下の場合などチャージバック保護の対象とならないケースもあります。
- 不正利用以外の理由(金額相違など)によるチャージバック
- 3D セキュア認証実施後に金額変更をした場合
- 過去に3Dセキュア認証を実施したカードでも、該当の支払い時に認証を行っていない場合
3Dセキュアの利用方法
基本的には以下のいずれかのタイミングで、3D セキュア認証のフローが自動的に実行されます。
- そのカードでの初回支払い時
- カード登録時
いずれの場合も自動的に 3D セキュア認証フローへ遷移し、認証完了後に支払い処理や登録処理が行われてから return_url へリダイレクトされます。
3D セキュアに関するカスタマイズ
要件に応じて以下の制御が可能です。
決済時の 3D セキュア認証をリクエストする
高額商品などリスクの高い取引に対して、セキュリティ強化やチャージバック保護を目的として各決済ごとに明示的に3Dセキュア認証をリクエストすることができます。
Payment Flow (支払い管理オブジェクト)API 作成時に payment_method_options.card.request_three_d_secure を any に設定すると、その支払いの完了前に必ず 3D セキュア認証が実行されます。
カード登録時の 3D セキュア認証を行わない
カード登録時の離脱率改善などのために、カード登録時に行われる 3D セキュア認証をスキップすることができます。
Setup FlowAPI 作成時に usage を on_session に設定すると、カード登録時の 3D セキュア認証はスキップされます。
ただし、この機能で登録されたカードで初回の支払いを行う際には 3D セキュア認証が求められるため、 フロントエンドでの requires_action の対応が必要になります。